年末から年始にかけては花の少ない季節です。そんな中で開花するのがクリスマスカクタス(シャコバサボテン)です。和名のシャコは葉の形がシャコに似ているからと言われています(追記参照)。
写真1は花を付けたシャコバサボテンです。このサボテンは3年前マンションの管理人、北村さんから分けてもらい、挿し芽から育てました。クリスマスより遅れ、年が明けてから花を付けました。つぼみは小さいのから膨らんだものまであります。ひと月ほどかけて順番に咲いていきます。
サボテンと言いますが、ブラジル原産で霧の多い樹上で自生している植物です。園芸品種はデンマークで盛んに作出されたのでデンマークカクタス、クリスマスの時期に花を付けるのでクリスマスカクタス、葉がシャコの形に似ているのでシャコバサボテンとも言われています(追記参照)。
雌しべ、雄しべが出る寸前の花の状態が写真2です。花びらを支える萼(ガク)は白色に近い、薄い緑色です。光合成は主として葉が担っているためと思われます。
開花した花の部分を拡大したのが写真3です。花びらに目を奪われがちですが、デリケートな構造をしています。花の中央にニュッと飛び出しているのが雌しべ(柱頭)で、その下には黄色い雄しべ(葯)が群がり、受精の機会をうかがっています。
雌しべは熟すとひだのあるカップ状に開きます(写真4と5)。受粉を容易にするためです。花びらは目立つ赤色で、しかも2段構えです。
写真2 開花寸前のシャコバサボテン 葉の突起から萼が広がり、その先につぼみがついています。 | 写真3 開花したシャコバサボテン紅色の雌しべが伸び、その下には黄色い雄しべ(葯)が群をなしています。花びらは2段構えです。 |
写真4 カップ状に開いた柱頭 | 写真5 柱頭部分の接写 |
多肉質の葉は水分を蓄えるタンクの役目も果たし、樹上での水不足を補っています。砂漠に自生するサボテンと同じ戦略です。
シャコ(大阪環境農水研による)
尻尾の突起や平べったい体の形がシャコバサボテンの葉に似ています。